1987年度卒園 歌手・アーティスト 桜庭 和 様
何かを一緒にやりたい時、「い~れ~て」とお願いをする。
何かを貸して欲しい時、「か~し~て」とお願いをする。
それらを受け入れる時、「い~い~よ」と答えてあげる。
実に素直で、愛らしく礼儀正しい。
何かをしてしまい、申し訳ないと思った時、「ごめんなさい」と頭を下げる。
それを受け入れる時、「い~い~よ」と仲直りをする。
何と平和的で、人らしく美しい。
大麻西町の学び舎にこどもの声が聞こえるようになって50年の月日が経ち、50年前にあったものは消え、50年前になかったものが新たに生まれたことでしょう。それでも変わらないのは、先述の言葉のやり取りにある「優しさの根っこ」です。大人になろうと、元号が変わろうと、どんな便利な時代になろうと、「優しさの根っこ」のもとで人は生きるべきであり、もしも清らかさを失っていると自問するなら、あの頃の「優しさの根っこ」に帰るべきです。幼稚園は根っこを生み出す、大切な場所であったように振り返ります。
当時の園長先生は「和ちゃん、がんばりなさい」といつも言ってくれていました。どうしてがんばるの?と尋ねると、「がんばれば良いことがあるんだよ」と言うんです。卒園して、小学生・中学生になり、高校は親元を離れて全寮制の学校に行き、成人を迎えて医療従事者になってからの歌手デビュー。何度も何度も園長の言葉、「和ちゃん、がんばりなさい。がんばれば良いことがあるんだよ」が、ぼくを支えてくれました。
歌手・アーティストの根っこは大麻幼稚園でやった「マーチング」です。音程を合わせ、リズムを合わせ、動きを合わせる。自分の役目を果たした上で、周りとアンサンブルをする。これはアーティストがステージ上で求められる最も大切なことです。「音楽の根っ子」も教えてくれた大麻幼稚園に、深く感謝をしています。
卒園や卒業を繰り返す人生ですが、「優しさの根っ子」から咲く、キレイな花でありたいものです。これからもたくさんの優しさを、こどもたちの心に丁寧に植え続けてください。その優しさが、誰かの役に立つ日が必ず訪れることでしょう。50年という歩みに、胸いっぱいの感謝とお祝いを込めて。
p.s.
近い未来、園児のみなさんと音楽ができたらいいな。レコーディングとかしてみたいですね。がんばろう!!がんばれば良いことあるから(^^♪
桜庭 和オフィシャルサイト ⇒ 『 和の輪 』